現在では必需品となっている方も多い『チャイルドシート装着自転車』ですが、いったい何ヶ月くらいから乗せても大丈夫なのでしょうか?
このような疑問はたびたび聞くことがありますが、法律の面ではどのようになっているのか解説させて頂きたいと思います。
まず前提となる基準ですが、『道路交通法』と『SG規格』の二つが関係してきます。
道路交通法は公の道路を走行する場合は必ず守らなければならない法律ですね。
そこにはこのような記載がありました。
一般の自転車
16歳以上の運転者は、幼児用座席を設けた自転車に6歳未満の幼児を1人に限り乗車させることができます。
さらに運転者は幼児1人を子守バンド等で背負って運転できます。
幼児2人同乗用自転車
16歳以上の運転者は、幼児2人を同乗させることができる特別の構造又は装置を有する自転車(幼児2人同乗用自転車)に6歳未満の幼児2人を乗車させることができます。
幼児2人を乗車させた場合、運転者は幼児を背負って運転することはできません。
引用:自転車の交通ルール
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/menu/rule.html
実はこの文章は東京都のものだったのですが、自転車の幼児同乗の条件は都道府県によって少しずつ違います。
その解釈にもちょっと幅がありますので、例えば上の条件にしたがって事例を考えると・・・
『16歳の高校生が幼児用座席に5歳の子供を乗せ、さらに背中にも5歳の子供をおんぶ紐で背負い、通学用の自転車で学校に行く』
なんていう無理やりなシチュエーションも一応は『合法』ということになってしまいます。
しかしいくら合法とは言え、非常に危険な状況であることは簡単に想像できてしまいますね。
そこでもう少し現実に沿った規格の『SG基準』が登場します。
これは一般財団法人製品安全協会が審議している安全基準で、製品からの視点で安全性を見ているため具体性があります。
道路交通法には明記されない、お子様の身長や体重も指定されていますので、使用の目安としてチェックしておくのがいいと思います。
また多くの製品メーカーがこのSG基準を元に商品を作っているため、ほとんどの製品が横並びの数値となっています。
SG基準による体格の規定
前チャイルドシート 体重8kg以上15kg以下(目安身長70c以上100cm以下)
後チャイルドシート 体重8kg以上22kg以下(目安身長70c以上115cm以下)
SG基準による使用年齢の参考規定※体重と年齢は同時に両方の条件を満たす必要があります。
前チャイルドシート 1歳(12ヶ月)以上4歳(48ヶ月)未満
後チャイルドシート 1歳(12ヶ月)以上6歳(72ヶ月)未満
メーカーのカタログにも同じような記載がありますが、さらに商品ごとに使用の目安を設定していることもありますので、ご検討の際は細かい部分のチェックも大切になってきます。
もちろんチャイルドシートにお子様を二人乗せる場合は『幼児2人同乗基準適合車』という専用の自転車が必須となりますよ。
対象自転車はこのマークが自転車のフレームに貼ってあります。
そして、ちょっと厄介な自転車用チャイルドシートの基準がもうひとつあるのでお話させて頂きます。
今までにご紹介したのは、公道を安全に走るための『道路交通法』
そして、チャイルドシートを安全に使用するための『SG基準』
この2点にもうひとつ基準が出てくるのですが、それが『JIS規格(日本工業規格)』になります。
これはチャイルドシートを装着した自転車本体がその使用に耐えられるかどうか?を定めたもので、言ってみれば自転車の立場から見た安全基準になります。
どんなに立派なチャイルドシートでも、その土台が耐えられなければ意味が無い・・・ということで近年では細かく上限が設定されるようになりました。
しかしそれではどのように自転車を選べばいいのか悩んでしまいますよね?
そこでオススメなのがやはり大手メーカーの商品です。
当店がメーカー品の自転車にこだわっているポイントもそこにあります。
大手のメーカーは安全性の確保のために、様々な試験を行っていて、オプション品の互換性などに細心の注意を払って日々努力を重ねています。
これを個人ユーザーのレベルで安全な組み合わせを探そうとしても莫大な手間と時間がかかってしまうので、ちゃんとした専門家が責任を持って提案した商品を使うのが安全への最短ルートだと考えています。
また万が一もしもの事態が起こっても、大手のメーカーにはしっかりとした保証の体制があるので、安心感が違います。
引用:http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20090604_1.html
こちらのドキっとしてしまう写真は国民生活センターの検証の様子ですが、今は全国でこのような自己が現実に起きてしまっています。
大切なお子様を乗せる自転車をご検討の際は、ぜひ自転車専門店にご相談ください。